人は、誰かにために役に立たないのなら、生きている甲斐がない・・リーディング時代小説「千だって」⑩:神戸御影ヒーリングサロン 心星 POLARIS(ポラリス)

人は、誰かにために役に立たないのなら、生きている甲斐がない・・リーディング時代小説「千だって」⑩

2018.07.12

 

 

わたしはたくさん恋をするために、生まれてきたのよ・・・リーディング時代小説「千だって」①

 

セレブ妻は人質、もっとドラマチックに生きたいの!!・・・リーディング時代小説「千だって」②

 

考えても仕方ない時、心の中でこの魔法の言葉を唱えるの・・・リーディング時代小説「千だって」③

 

いくらセレブであっても、お子はお金で買えないものね・・・リーディング時代小説「千だって」④

 

一番見たくない所に、本当に大切な答えがあるの・・・リーディング時代小説「千だって」⑤

 

人生にもし・・・はないことを知っている・・・リーディング時代小説「千だって」⑥

 

人に嘘をつく時は、まず自分に嘘をついて心をごまかす・・・リーディング時代小説「千だって」⑦

 

運命は自分の思いで、変えられる。運命を操る女になる・・・リーディング時代小説「千だって」⑧

 

自分がゴールを決めたら、運命が勝手にわたしを運ぶだろう・・リーディング時代小説「千だって」⑨

 

砂漠に散った花びらの残骸を懐に抱え、大阪城に帰っていった。

わたしは秀くんと一緒にここで命を断とう、と心に決めた。

やがてやってくる死に向かって、秀くんと二人で手を握りしめていた。

ブルブル震えている手を、彼はしっかり握りしめてくれた。

あたたかい手。

秀くんがいるなら、怖くない。

 

その時、淀ママが口を開いた。

「千姫、あなたはもうこれ以上ここにいる必要はありません。」

わたしは、驚いて反論した。

「お義母様、わたくしは秀頼様の妻です。

最後まで一緒に居させてください。

それに・・・

それに、わたしは何の役にも立ちませんでした!

お義母様と秀頼様の命を救うことができなかったわたしは、この世に生きていく価値などありません!」

 

わたしは、泣きながら叫んだ。

いやだ!

わたしだけここを逃げるなんて、いやだ!!

そんなわたしに秀くんは静かに言った。

「もうそれ以上、何も言わなくていい。」

 

死を覚悟したその言葉に、なんの濁りもなかった。

言霊が目に見えたら、それは透き通っていただろう。

 

淀ママがやさしく語りかけた。

「何を言っているのですか、千姫。

あなたはまだ若い。

あなたは、わたし達のために本当によくやってくれました。

あなたは家康殿の孫娘。

家康殿も孫娘のあなたが、城内に出れば喜んで迎えるでしょう。

秀忠殿も、江もあなたの無事を祈りながらきっと待っています。」

 

いやだ、いやだ。

頭の中におじいちゃまやママの顔が浮かんだけど、それを振り払って言った。

 

「お義母様、わたしは、もう徳川の人間ではありません。

豊臣の人間です。

お義母様が、わたしのことをずっと疎んでいたのは知っていました。

でも、それは仕方のないことだとあきらめていました。

けれど、最後は・・・

最後くらいは、豊臣の女として秀頼様とこの世を去らせて下さい!!」

 

お願い、わたしだけ一人にしないで!

一人で取り残さないで!!

わたしは、淀ママに必死に訴えた。

 

焦るわたしに淀ママは、辛抱強くやさしく話しかけた。

「千姫、あなたにはわたしと江の母、浅井家と母上の実家、織田の血も流れています。

秀頼も、わたしもそうです。

豊臣は、これで終わりです。

秀頼の父、秀吉は一代で農民から天下人に成り上がりました。

ですから、その家系がここで尽きるのは仕方ないことです。

 

けれど・・・

けれど、浅井と織田の血は絶やしてはいけません。

それは、徳川の血といっしょになり、後世につながっていくでしょう。

わたし達の中に流れているご先祖様の命を、無駄に殺してはいけません。

 

わたしと秀頼は、家康殿に引き渡されたとしても、殺される運命です。

それを江や初に見させるわけにはいきません。

二人ともわたし達のために、どれだけ尽くしてくれたことか。

 

でも、あなたの寿命はここで尽きてはいけません。

生きるのです!

生きて、後世の人たちに正しく伝えてほしいのです。

 

あなたと秀頼のこと。

大阪城での暮らしのこと。

誰も本当のことを知るものがいなくなったら、人はおもしろおかしく書き立てるでしょう。

 

だから、千姫。

生きるのです!

生きて、命を伝えるのです。」

 

淀ママの言葉は、わたしの胸を貫いた。

たしかにわたしが後世に伝えなければ、このまま淀ママのことも秀くんのことも誰にも伝えることはできない。

それでも、まだわたしは躊躇していた。

いいの?

本当にいいの?

わたしだけ大阪城を出て行っても・・・?

生きていっても・・・?

 

迷う気持ちを見透かすように、秀くんがやさしくわたしの身体を抱いた。

そして耳元でささやいた。

 

「千、よく聞いて。

千には大阪城を出て、生きて欲しい。

おじいさまのところに行きなさい。

わたしは千と一緒に過ごせて、本当に幸せだった。

千の笑顔を見ているだけで、わたしの心は癒された。

 

もし今度平和な時に生まれたら、もう一度一緒に生きよう。

約束する。

その時は共白髪になるまで、ずっと一緒にいる。

だから、今は生きて欲しい。」

 

秀くんはキッパリ言い切った。

そして誰の目をはばかることもなく、わたしにキスした。

切ない最後のキス

このキスが終わると、わたしは永遠に彼を失う。

と同時にわたしに「生きよ」と命じるキスだった。

 

やるせなさに涙がこみ上げる。

今度っていつよ、今度って。

ちゃんと100年後、とか200年後、とか約束してよ!!

秀くんの言葉を拾い上げ、文句をつけることで、その場に必死に立ち続けた。

 

淀ママが叫んだ。

「千姫の支度を!」

そばに大人しく控えていた刑部卿局は、その言葉を待っていたかのように、慌ただしく動き始めた。

徳川から来た侍女や家来たちも、わらわらと準備を始めた。

荷造りは、ほとんどできあがっていた。

ああ、みんな何もかも知っていたのね。

わたしだけが、何も知らされていなかった。

 

自分の無力さにも打ちひしがれ、その場に泣き崩れた。

守られているばかりで、わたしは誰も守ることが出来ない。

本当に、自分が情けない・・・

どれだけ周りに人がいようと、わたしの心は荒れ果てた砂漠だ。

人は、誰かにために役に立たないのなら、生きている甲斐がない・・・

人にあてにされないわたしは、生きている甲斐のない女だ・・・

 

自分を責め続け心にナイフを突き刺していると、ふいに背中があたたかくなった。

秀くんが、わたしの背中をやさしく撫でていた。

「大丈夫だ。大丈夫だ。

千がどこにいても、わたしは君をあたためる日差しとなり、風となり、見守っているからね。」

秀くんは死を目の前にしながらも、わたしのことを案じている。

この場において、こんなことが言えるなんて!

秀くんはやっぱり、他の星からやってきた王子様だった。

 

生き残るのは、こういう人だよ、神さま。

あなた、極楽浄土に連れて行く順番、間違っているよ!!

 

目いっぱい、神様にガンを飛ばした。

それが神様まで届かないのがまた悔しくて、泣き続けた。

わたしが秀くんにあやされ続けていると、刑部卿局が声をかけた。

「千姫様、お支度ができました。」

淀ママが凛とした声で言った。

「千姫、行きなさい。」

秀くんが叫んだ。

「千、生きるんだ!」

 

二人の声に何も答えることが出来ず、わたしはその場に正座した。

そして、ありったけの愛情と感謝を込め、深くお辞儀をした。

あまりに長い間、そのお辞儀が続いたので、両腕を刑部卿局と侍女につかまれ、ふらふらと立ち上がった。

そして家来たちに囲まれ、その場から引き離された。

もう声は出なかった。

 

秀くん、秀くん

さようなら。

淀ママ、さようなら。

12年間暮らした大阪城よ、さようなら。

大阪城という鳥かごは、ガラガラと崩壊し始めた。

飼われていたつがいの鳥の片方は、鳥かごの中で朽ちていく。

 

後を託されたわたしは、朽ちることも赦されていない。

なら、散り去った花びらと共に、悔しさや悲しみをそこに埋めよう。

荒涼とした砂漠に、豊臣の千姫、という墓標を立てよう。

わたしは死んだの。

そして、もう一度そこから新しい花を咲かせる芽を出すの。

そうするしか、ないじゃない。

 

そうしないと、生きていけない・・・

流れ落ちる涙をぬぐいもせず、心の中で叫び続けた。

 

神様のばかやろう!

 

秀くんが

秀くんが

 

本当に大すきだった・・・

 

秀くんと過ごした夢見がちで世間知らずのわたしは、埋葬され、もういない。

 

 

さようなら、秀くん・・・

さようなら、千姫・・・

さようなら、大阪城・・・

振り返ると、大阪城が赤く燃えていた。

 

砂漠に咲くワイルドフラワーも、あんな風に赤いのかもしれない・・・

もう泣き叫ぶ事もできず、ぼんやりそう思った。

 

————————————-

 

あなたは誰かのために役に立っている、と感じますか?

 

あなたは、生きているだけでいいのです。

 

あなたが生きていることが、誰かの役に立っています。

 

自分を卑下するのを止めましょう。

 

生きていることが、生かされていることです。

 

その命、精いっぱい燃やし尽くしましょう。

 

 

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美開女(Be.Akujo)への四歩目。

 

 

 

 

 

 

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