あきらめない!あきらめが明らかに改まった時、光が見える・・・リーディング時代小説「篤あっつつ」⑨:神戸御影ヒーリングサロン 心星 POLARIS(ポラリス)

あきらめない!あきらめが明らかに改まった時、光が見える・・・リーディング時代小説「篤あっつつ」⑨

2018.08.10

 

 

わたしが望むのは、退屈な毎日からのレボリューション!・・・リーディング時代小説「篤あっつつ」①

 

わたしは、龍の背中に乗ってやる・・・リーディング時代小説「篤あっつつ」②

 

運命は「もし・・・」を超えた積み重ねで、動いている。・・・リーディング時代小説「篤あっつつ」③

 

頑張れ、わたし!女が嫁ぐ、というのはこういう事なのか・・・リーディング時代小説「篤あっつつ」④

 

生まれ育った出自を含め、すべてがわたしの「誇り」・・・リーディング時代小説「篤あっつつ」⑤

 

やっぱり、わたし、強運!!・・・リーディング時代小説「篤あっつつ」⑥

 

わたしは皆に応援されている。その応援を、受け取ればいい・・・リーディング時代小説「篤あっつつ」⑦

 

眠れない初夜、この結婚生活は仮面夫婦でレス?!・・・リーディング時代小説「篤あっつつ」⑧

 

眠れないまま朝を迎えた。

手を伸ばせばすぐそこに、家定様はいる。

が身体はそこにあっても、心は何億光年も離れている。

天を衝くほどに高い木々に囲まれ、道もない大きく深い森の中でたった一人、取り残されたような、とてつもない寂しさが襲ってきた。

これから、わたしはどれだけの夜をこの大奥で過ごさなければならないのだろう?

なんの希望もない閉ざされたこの場所で、どんな生きがいを持って生きていけばいいのだろう?

一瞬だけ見えたわたしを待っている誰かのために、ここに来たというのに。

それは、家定様ではないのだろうか?

もし家定様でないのなら、一体誰なのだろう?

 

そう自分の世界に入り込んでいた時

「御台」

と、声がした。

 

どこから?と思って声の方を見たら、家定様がじっとわたしを見ていた。

 

「泣いておるのか?」

 

何の感情もない声で問われた。

 

「えっ?泣く?」

 

自分が涙を流しているのに、気づいていなかった。

 

「わたし・・・泣いていたんですね・・・。」

 

ポツリと言った。

泣いている自分がショックだった。

 

「御台はこれまで、あまり泣いたことがないのであろうな。」

 

「はい、兄上たちに負かされて悔しくて泣いたことはございましたが、このような気持ちで泣いたことは、初めてでございます。」

 

「このような、とは?」

 

「母親からはぐれ、迷子になって見知らぬ大きな森に迷い込み一人ぽっちになり、寂しくて悲しくてたまらない気持ちです。

わたしにとって、ここは見知らぬ大きな森です。

幾島や侍女達はおりますが、上様だけを頼りに参りました。

その家定様がわたしに心を閉ざしておられるのは、仕方のないことですが、とてもつらいです。」

 

思い切って素直な気持ちを吐いてみた。

家定様はじっとわたしを見ていた。

それがわたしの真意かどうかを見定めているようにも見えた。

 

「大奥は、たくさんの女たちがいて花園のようです。

けれど、ここでわたしはよそから植えられた花です。

誰も水をくれる人がいなければ、枯れてしまうでしょう。

ご縁を結んだ上様と心を通わせられないのなら、わたしはこれからの人生で何を生きがいにして生きていけばいいのか、と思うと泣けてきたのだと思います。

もともと島津の義父上がわたしを養女に望んだのは、上様のお察しの通り、一橋慶喜様を次の将軍にするためでした。

けれど、上様はそのような企みをすべてご存知でした。

でしたら、わたしは何のために上様に嫁いできたのでしょう。

わたしは上様に、何もできないのでしょうか?」

 

「何もできぬ。

御台に何も期待しておらぬ。

大奥という花園で、朽ちていけばいい。

わたしのようにな。」

 

「これから毎朝、徳川家先祖代々の位牌がある「御仏間」で礼拝するから、仕度をせい。」

 

家定様はそう言い放つと、寝床を出て行った。

もう涙も流れなかった。

絶望の淵に落とされたわたしを、幾島が部屋に連れて帰った。

 

「幾島・・・

わたしはこれからどうすればいいのだろう?」

 

「何を弱気になっておられます!!

これから家定様の生母の本寿院様に乳母の歌橋様、御年寄の滝山様、そして家定様の側室のお志賀の方もご一緒に参ります。

さぁ、早くお支度を!」

幾島にせかされ、わたしは身支度を整えられたが、頭の中では家定様に言われた

「御台に何も期待しておらぬ。 大奥という花園で、朽ちていけばいい。」

という言葉が、リフレインしていた。

 

そして、皆が揃い「御仏間」での礼拝を終えた。

家定様はそそくさとその場を立ち去った。

わたしは本寿院様にご挨拶に行った。

本寿院様のところには、歌橋と御年寄の滝山も一緒にいた。

「本寿院様、お初にお目にかかります。

篤子、と申します。」

本寿院様は、上から下までなめるようにわたしを見定めた。

 

「そうですか、よく参られた。

上様はこれまで二度のご結婚で、御台を亡くしています。

今度は健康な御台を、ということで、島津からご縁をもらいました。

あの通り、暗くて頑固な上に病弱じゃ。

うまくやれるわけもなかろうが、頼みましたよ。」

 

「あの、上様は幼き頃はどのようなお子様でしたか?」

 

「上様は、とても利発なお子様でした。」

本寿院様に代わり、歌橋が告げた。

「人見知りは大層激しかったのですが、鳥がお好きでした。

よく鳥の名前を憶えては、教えて下さいました。」

 

「上様は、鳥がお好きなのですね!

上様は、何度も毒を飲まされ死にかけた、と申しておりました。

信じているものなど、誰一人おらぬとも。」

 

歌橋の顔色がサッ、と変わった。

反対に本寿院様は不自然なくらいに声を出して笑った。

 

「上様は何をおっしゃられる。

確かに命を狙われることは、ありました。

が、この通り生きておられる。

信じているものが誰もおらぬ、などとよくもまぁ、ぬけぬけと。

せっかく将軍にしてやったのに、その言い草。

だから、御台も次々亡くなるのじゃ。

本当に恩を仇で返すようなことを、言うものじゃな、歌橋。

そなたの入れ知恵か?」

 

「本寿院様、とんでもございません。

わたくしの教育がなっておらず、大変申し訳ないことでございます。」

 

歌橋はこちらが恐縮するほど身をかがめ、本寿院様に頭を下げていた。

 

「このような上様じゃ。

そなたも何かとやりにくいであろうが、仕方ない。

うまく合わせてやりなされ、」

 

生母様にしては、冷たいお言葉だ。

本寿院様は家定様をお生みになり、ほとんど面倒を歌橋に見せていたそうだ。

わたしの母上と比べるのもおこがましいが、母上はいつもわたしの礼儀作法を厳しく教えながらもあたたかい視線で見守っていてれくた。

そのあたたかさが、本寿院様からは何も感じられかった。

大奥とは、親子の愛情でさえも育たぬ不毛な花園なのだろうか。

 

「のう、幾島、上様は、本当に孤独なのじゃな。

先ほど、本寿院様と話して良く分かった気がする。

母上があのような感じでは、上様はさみしい子ども時代を送ったのではないだろうか。

まだ歌橋の方が、上様に愛情をかけておられるように見えた。

子どもはいくつになっても、親に愛されたい、認められたいと望むものじゃ。

けれど、本寿院様はそのようなお気持ちを上様に持っておられぬように思った。」

 

「それが大奥でございます。

先の将軍、家慶様はたくさんの側室と14男13女の子どもがおりました。

けれど、ほとんどが夭逝されました。

毒殺された、という噂もございます。

20歳まで成長されたのは、家定様のみです。

誰もが自分の産んだ子を、将軍にさせたいと望みます。

本寿院様もそうでしょう。

つまり、母親の愛情よりも自分の権力の道具として子どもを使ったのではないでしょうか。

ですから、歌橋殿にすべて面倒を見させ手元でお育てにならなかったのではないでしょうか。

ここ大奥ではよくあることかと存じますが、さみしいことでありますね。」

 

幾島はしみじみと言った。

子どもを産むことが、自分の権力の道具・・・

なんと悲しいことだろう。

確かに、わたしも権力の道具にはなっている。

けれど、わたしは自分でそうなろう、と決めた。

自分の意志だ。

だが、そうではなく生まれてきた意味が「道具」なら、悲しいではないか・・・

 

その時、わたしは今夜も家定様ののお渡りがあることを知らされた。

また家定様にお会いできる!

ほんの少しでもいい、心の距離を1ミリでも2ミリでも近づけたい。

そのチャンスはある。

あきらめたくない!

あの方の心にある「あきらめ」を明らかに改めたい。

あきらめない!

あきらめが明らかに改まった時、光が見える。

わたしはこのまま朽ちてなんか、生きたくない。

わたしは、わたしらしい生き方でこの場所を変えて行く。

 

そう決めて扉を開くと、部屋からすばらしい庭が見え、澄んだ青い空を鳥が飛んでいた。

鳥は自由だ。

どこへでも飛んでいける。

だが・・・翼はなくても飛ぶことはできる。

心に翼をつければいい。

心は自由だからだ。

どこへでも飛んでいける。

 

それを家定様に伝えたい!

わたしは、空を見上げ空に向かって手を挙げて背伸びをした。

 

「御台様!はしたのうございます!!」

 

幾島が声を上げた。

その声を聞き流し、なおも大きく背伸びをした。

ああ、いい気持ち。

 

————————————

 

あなたは、かあきらめていることはありませんか?

 

どうしてあきらめたのでしょう?

 

一度、明らかに改めてみましょう。

 

ほんとうにそれ、あきらめられますか?

 

あきらめて、いいのですか?

 

 

 

麗しく生きる

 

美開女(Be.Akujo)への五歩目。

 

 

 

 

 

 

 

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